前立腺がんの転移しやすい場所と種類
このページの監修医師
医療法人健身会
周東寛 理事長
前立腺がんの転移は、どのようにして起こるのでしょうか?また、どのような場所に起こることが多いのでしょうか?
こちらのページでは、「がんの転移の種類」について紹介するとともに、「前立腺がんの転移が起こりやすいといわれている部位」も挙げてみました。
前立腺がんの転移に関する情報を一挙にまとめているので、ぜひ参考にしていただければと思います。
がん転移の4つの種類
がん転移は、その経路(転移の仕方)によって、大きく4つの種類に分けられます。以下に、それぞれの種類について特徴をまとめてみました。
血行性転移(骨転移、肺転移)
血行性転移というのは、原発巣で出来たがん細胞が、血流に乗って他の部分に運ばれることにより起こる転移です。
通常、静脈の流れに乗って転移することになるため、腎がんは肺に、大腸がんは肝臓に転移することが多いです。
この血行性転移は、治療において、抗がん剤がよく効くという特徴を持っています。抗がん剤はほとんどが水溶性の性質を持っているため、血液中を移動するがん細胞には非常に効果的です。
リンパ行性転移(リンパ節転移)
リンパ行性転移というのは、リンパを通して広がる転移のこと。つまり、原発巣で出来た細胞が、その周囲のリンパ管に入り込んでリンパの流れに乗って運ばれ、近くのリンパ節から遠くにあるリンパ節まで広がることによって生じる転移をいいます。
厄介ながん転移の多くは、このリンパ行性転移だといわれています。
そもそもリンパ管とは、免疫機能を持った場所。そのため、通常は何らかの異物が入り込んだとしてもすぐに退治されるはずですが、がん細胞は、そういった免疫の働き(免疫機能を備えたT細胞等からの攻撃)をかいくぐって転移したことになります。
上で説明したように抗がん剤は多くが水溶性のため、大部分が脂のリンパ管に対しては効果を発揮しにくいそう。このことも、厄介な転移といわれる理由のひとつとなっています。
播種性転移
播種性転移というのは、まるで種を蒔くようにしてがん細胞が散らばっていくタイプの転移をいいます。腹膜と内臓、胸膜の間に「腹腔」「胸膜」と呼ばれる隙間がありますが、この隙間に、近くの臓器に生じたがん細胞が増殖し、その内面に種を蒔くようにして広がっていく転移です。
この播種性転移は、主に肺がんや胃がんなどでよく見られるタイプであり、厄介な転移といわれています。
まず肺がんの場合、胸膜を破って胸膜表面にがん細胞が散らばってしまう「胸膜播種」というがんになることも。胃がんの場合は、成長したがん細胞が胃壁を突き破り腹膜に広がっていく、「腹膜播種」と呼ばれるがんになることがあるといいます。
いずれも保険診療では治すのが難しい、非常に厄介ながんです。
浸潤
浸潤は、上の3つとは異なり、転移とは別物として考えられることが多いもの。しかし、原発巣に隣接する他臓器に広がっていくため、転移のひとつといえるでしょう。
このタイプのがんは、がんの輪郭が分かりにくいのが特徴。そのため、手術などですべてのがん細胞を取り除くことは難しいとされています。
また、すい臓に出来たがん細胞などが、近くの十二指腸や肝臓、胆のうといった部位へ浸潤するケースは、ほぼ治らないともいわれる恐ろしい転移のひとつです。
前立腺がんが転移しやすい3つの部位
がんの転移には、血流に乗って広がるケースやリンパに乗って広がるケースなど、転移の仕方にいくつかの種類があることが分かりました。
では、転移する場所については、どのようなところが多いのでしょうか…?
以下に、前立腺がんが転移しやすい場所といわれている3部位を挙げてみました。それぞれの部位への前立腺がん転移についてもっとくわしく知りたいという方は、ぜひ各詳細ページを確認してみてください。
骨転移
がん細胞が血流の流れにのって骨に到達し、増加する状態のことを「骨転移(こつてんい)」と言います。がんと診断された時点から骨転移が判明している方もいれば、治療の経過中に発症方する方も。がんの原発巣別では乳がんや肺がん、前立腺がんなどで多く見られますが、全身のどの部位でもがん転移をきたすおそれがあります。
骨自体は痛みを感じることはありませんが、腫瘍が骨の外に進展し骨を包む骨膜や、周りの神経が障害することで痛みを感じるのです。場合によっては骨折をするケースも。骨転移が直接の原因となって命を落とすことはありませんが、できるだけ早期に治療を受けることが大切です。初期症状はほとんどないため、定期的に検査を受けてチェックしましょう。
この骨転移について、その概要や特徴、原因、くわしいメカニズムなどを分かりやすく解説。また、前立腺がんの他にも骨転移が起こりやすいといわれている主ながんを紹介します。
骨転移が起こった場合に現れる可能性のある症状としては痛みや骨折、神経障害、高カルシウム血症などが挙げられますが、これらの症状についても、それぞれくわしく解説。
さらに、前立腺がんの骨転移においては、どの部分に起こりやすいのか?といったことも紹介していきます。
骨転移についてくわしい情報を知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
リンパ節転移
リンパ節転移というのは、その名のとおり、リンパ節にがん細胞が転移した病態のこと。こちらのページでは、このリンパ節転移について、くわしく紹介していきます。
そもそもリンパ節とはどのような器官で、身体の中でどのような働きをしているのか?といった基礎的な知識はもちろん、リンパ節転移が起こりやすいといわれているがんの種類や、リンパ節転移が起こる原因なども解説しています。
また、リンパ節転移が起こった場合に引き起こされる可能性のある主な症状(むくみ、痺れなど)についても、くわしく紹介。さらに、気になる生存期間についても解説をします。
前立腺がんのリンパ節転移についてあらゆる情報をまとめているので、ぜひチェックしてみてください。
肺転移
肺転移というのは、他の臓器に出来たがん細胞が、肺に転移した病態のことをいいます。
こちらのページでは、この肺転移についてさまざまな情報を紹介。肺転移の概要や特徴、原因、メカニズムといった基礎的な知識から、肺転移が分かった場合に勧められる治療方法まで、気になる情報をまとめて掲載しています。
肺転移が起きやすいといわれているがんの種類や、肺転移が起こった場合に現れる可能性のある症状(血痰、肺炎、気管支炎、しわがれ声、胸の痛みなど)などについても紹介しているので、前立腺がんの肺転移についてくわしく知りたいという方は、ぜひ確認してみてください。
その他の転移する可能性がある部位
肝転移
肝臓以外にできた臓器のがん細胞が血液の流れに乗って肝臓にたどり着き、がん細胞が増殖してしまうことを「肝転移(かんてんい)」と言います。肝臓へはほぼすべてのがんが転移する可能性がありますが、最も多いのが大腸がんや胃がんなどの消化器系がんです。次いで乳がんや肺がんなどが転移しやすいとされています。
ここでは、前立腺がんが肝臓に転移する肝転移について詳しく解説。肝転移の原因や、転移したときに引き起こされる症状についてまとめています。「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓にがんの自覚症状が引き起こされるとき、体にはどのようなことが起こっていると考えられるのでしょうか。また、前立腺がんが肝転移した場合にどのような治療方法があるのでしょうか。
前立腺がんの肝転移について詳しく知りたい方は、こちらをご一読ください。
脳転移
原発がんが脳に転移してしまうことを、脳転移(転移性脳腫瘍)と言います。がんの転移には順序があり、原発巣から肺、脳へと転移します。そのため、脳転移が発覚した時点でステージ4の進行がんだと診断されることがほとんどです。腫瘍の大きさや個数は関係ありません。
ただし、病態は患者ごとに異なり、治療方法によって生存率も変わってきます。近年では新しい治療方法も登場し、長期生存率は高まってきています。
脳転移を発症するまでの期間は、がんによって数ヶ月から10年の開きがあります。原発がん発症から数ヶ月後の手足の麻痺やてんかん発作、頭痛、めまいなどの症状には注意が必要です。ただ、前立腺がんによる脳転移の確率は0.4~1%と、極めて低いと言えます。過度の心配は不要ですが、脳神経が関係している症状が起こった際はすぐに医師へ相談してください。
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