脳転移
このページの監修医師
医療法人健身会
周東寛 理事長
肺がんや消化器がんをきっかけにして発症する脳転移(転移性脳腫瘍)の情報をまとめました。
患者さんによって異なるものの、脳転移はステージ4の進行がんと診断される病態です。転移するまでのメカニズムや脳転移が引き起こす症状、転移しやすい部位などを解説しています。また、当サイトで取り上げている前立腺がんによる脳転移の可能性も公開していますので、ご一読ください。
脳転移とは
脳以外の部位にあった原発がん(肺がんや消化器がんなど)が血流にのって脳へたどり着き、転移してしまった状態を「転移性脳腫瘍」と言います。一般的に脳転移と呼ばれ、がんを発症した方のうち10%ほどが脳転移に至るというデータも。原発がんのコントロールに成功しても、転移性脳腫瘍のコントロールができていなければ、最悪の場合は死に至ることもあるのです。
脳にがんが転移すると、腫瘍の大小や個数にかかわらずステージ4の進行がんと診断されます。というのも、がんの転移には、はじめにがんを発症した部位から肺、脳と移っていく順番があるためです。原発巣からがんが脳にたどり着くのは最後で、この時点でがんは進行してしまっています。
ただ、ステージ4といっても病態は患者さんごとに異なるもの。最近ではさまざまな薬物治療や放射線治療が登場し、以前と比べて数年単位の長期生存率が高まっています。脳転移が発見されるような状況は予断を許しませんが、予後(治療の効果や生存率などを含めた医学的な見通し)は徐々に良くなってきています。
脳転移の原因
肺がんや消化器がんなどの原発がんが血液の流れにのって、脳に到達してしまうのが脳転移を発症する原因です。脳転移が現れる時期にかんしては、患者さんごとに異なります。原発がんを治療し始めてから1年で転移してしまう方もいれば、10年後に移転することもあるのです。
脳転移しやすい原発がんには、肺がんや乳がんが挙げられていますが、そもそも患者数の多さが関係しています。患者数ではなく、がん単体の割合で脳転移しやすい原発がんを確認すると、「悪性黒色腫(メラノーマ)」と「絨毛がん」が挙げられているのです。
悪性黒色腫は皮膚にできるがん。絨毛がんは胎盤を形成する絨毛にがんが生じたものや、卵巣・睾丸の胚細胞腫瘍からなるものがあります。
【脳転移の可能性が高い主ながん】
- 肺がん
- 乳がん
- 悪性黒色腫(メラノーマ)
- 絨毛がん
脳転移によって引き起こされる症状とは…?
脳転移をきっかけにして引き起こされる症状には、大きく分けて2パターンあります。1つは、腫瘍が脳を圧迫することで起こる症状。もう1つは、頭蓋骨内の圧が高まることで起こる症状です。
腫瘍の圧迫で起こる症状
圧迫が原因で起こる症状は、脳転移した場所が深くかかわっています。前頭葉・後頭葉・小脳のうち、どこに転移しているかで異なるのです。
- 前頭葉…手足に麻痺が起こる。字がうまく書けない、足を引きずる、転びやすくなるなどが該当する。また、てんかん発作なども確認されている。
- 後頭葉…視野に異常が生じる。視野が狭くなったり、目の前がチカチカしたりするなどの症状がある。
- 小脳…ろれつが回らなかったり、めまいやふらつきが起こったりする。
頭蓋骨内の圧の上昇で起こる症状
頭蓋骨の圧(頭蓋内圧)が高まると、頭痛を感じるようになります。本来、頭蓋内圧は眠っている間に少し高まるだけで支障はありませんが、脳転移している患者さんは通常の頭蓋内圧に腫瘍からなる圧迫が加わるため、頭痛が起こるのです。
朝起きた時にだけ感じる頭痛(モーニングヘッドエイク)に注意しましょう。
脳転移が起こりやすい部位とは?
脳内どこにでも起こりうる可能性がある脳転移ですが、もっとも発生しやすいと言われているのは「前頭葉」です。その後に小脳・側頭葉・頭頂葉・後頭葉が続きます。
当サイトで特集している前立腺がんは、骨やリンパ節などへの転移の危険性が高いがんです。ただ、脳転移の可能性は限りなく低いと言われています。発症する割合は0.4~1%ほど。過度に脳転移を心配する必要はありませんが、前立腺がんは骨転移やリンパ節転移の確率は他のがんと比べても高いのが特徴です。
もし前立腺がんと宣告されている場合は、転移を防ぐための対策を検討しておきましょう。
参照元:脳転移をきたした前立腺癌の1例 |京都大学学術情報リポジトリ(PDF)
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